第2章 XooNIps紹介編

脳・神経系に関する研究の成果には、論文のみならず実験データ、数理モデル、シミュレーションプログラム、シミュレーション結果、計測データ、URL などの電子情報を含む多様な研究資源が存在します。脳機能の理解・解明を今後より一層進めるためには、これらの研究資源を蓄積・整理し、相互に共有し、広く公開することが重要となります。

XooNIps (ズーニプス)では、これらの研究資源の蓄積から共有・公開までの一連の枠組みを提供しており、従来は共有・公開の難しかったさまざまな形態の研究資源もその形態にとらわれることなく自由に共有・公開することが可能となります。

本システムは、コンテンツマネージメントシステム XOOPS Cube をベースとしており、プラグイン形式による様々な機能の追加やデザインの変更などカスタマイズ性を考慮した設計となっており、目的に合ったサイトポリシーでデータベースの構築・運用が可能です。

1. XooNIpsの基本画面

デザインはサイトによって異なる場合があります。

XooNIpsの基本画面

図 2.1. XooNIpsの基本画面


2. 用語解説

  • システム管理者(Webmasters)

    XOOPS Cube全体の管理権限を持つユーザーです。サイトポリシーを決定して設定をします。XooNIpsではWebmastersグループに所属します。

  • モデレーター(moderator)

    XooNIpsの設定などを行う管理者です。ユーザーの登録等の管理と、登録データの公開申請に対して査読を行うことができます。XooNIpsではmoderatorグループに所属します。

  • 登録ユーザー(Registered Users)

    モデレーターに承認されてXooNIpsを利用出来る人です。XooNIpsではRegistered Usersグループに所属します。

    XooNIpsはユーザー登録後、モデレーターの承認作業を経て機能を利用できる状態になります。

  • ゲスト(guest/Anonymous Users)

    XooNIpsにログインしていない状態のユーザーです。XooNIpsではAnonymous Usersグループに所属します。

  • グループ

    登録ユーザーの集まりです。

  • グループ管理者

    グループを管理する権限を持つユーザーです。グループの共有領域にデータを登録する際に査読を行うことができます。

  • アイテム

    登録されるデータの事です。

  • アイテムタイプ

    登録されるデータの種類です。Data,Model,Tool等データの種類に合わせて複数の種類があります。

  • インデックスツリー

    登録データを管理分類するために用意されている表示方法です。

  • インポート

    公開されているXooNIpsから、新しいXooNIpsへ移行する際のデータ移動手段です。

  • エクスポート

    XooNIpsの公開されているデータを、新しいXooNIpsへ移行させる為にデータを変換する機能です。

  • ランキング

    各データのダウンロード数によるランキング表示です。

  • 職名

    登録ユーザーの情報として登録される役職名です。

  • メタデータ

    検索システムの対象となるデータを要約したデータのことです。XooNIpsではメタデータを簡単に作成し、データ登録の際に利用することができます。

  • OAI-PMH

    メタデータを機械的に収集するプロトコルです。OAI-PMHではデータを一括して取得することを、農作物の収穫になぞらえ、「刈り取る」(ハーベスティング)と表現します。

    OAI-PMHは、OAI-PMHによるデータ提供をサポートするサーバーから一括してメタデータを刈り取るために用いられます。刈り取る側のクライアントソフトウェアをハーベスタ、刈り取られる側のサーバーをリポジトリと呼びます。

    XooNIpsは両方の機能を備えています。

3. システム概要

データベースを円滑に運用するため、利用できる機能をユーザー権限によって分けられており、使い分けることによって『アイテムの公開』や『グループ内におけるアイテム共有』などの一連のワークフローを実現しています。

  • ゲスト(Anonymous Users)

    公開されているアイテムの検索・閲覧が出来ます。

    サイトにアカウント登録を行うことが出来ます。

  • 登録ユーザー(Registered Users)

    登録ユーザー専用の個人領域にアイテムを登録することが出来ます。

    グループに所属してグループ専用領域にアイテムを登録することが出来ます。

    公開状態、個人領域、グループ共有領域に登録されているアイテムの検索・閲覧が出来ます。

    個人領域のインデックスツリーの編集が出来ます。

  • グループ管理者(Group Administrator)

    研究者グループのメンバー管理(登録・削除)が出来ます。

    グループ共有領域のインデックスの編集が出来ます。

    グループ領域に登録するアイテムの承認作業が出来ます。

  • モデレーター(Moderator)

    XooNIpsシステムの設定を行えます。

    ユーザーのアカウント承認作業が出来ます。

    公開領域のインデックスツリーの編集が出来ます。

    新たに研究者のグループを作成することが出来ます。

    サイトのアクセスログを見ることが出来ます。

    公開領域に登録するアイテムの承認作業が出来ます。

  • システム管理者(Webmasters)

    XooNIpsサイトのポリシーを決定し設定を行います。

    OAI-PMHで記述された外部DBを選んでメタデータを取得する設定を行えます。

    DBのインポート・エクスポート機能を使ってDBの移行が出来ます。

システム概要図

図 2.2. システム概要図


3.1. 主な特徴

3.1.1. アイテムタイプによる電子情報の分類

XooNIps では、登録データを『アイテムタイプ』に分類して保存します。

3.1.2. インデックスツリーによるアイテム管理

XooNIps では、登録データを『アイテムタイプ』毎に分類して、『インデックスツリー』に関連付けて保存することでユーザにわかりやすい形でインターネット上で研究資源を公開・共有できます。

XooNIps の概観

図 2.3. XooNIps の概観


アイテムの一覧表示

図 2.4. アイテムの一覧表示


アイテムの詳細表示

図 2.5. アイテムの詳細表示


3.1.3. アイテムの公開レベル

  • Public、Group、Private のアイテム公開レベルがあります。

    • Public

      サイトにアクセスした誰もが見ることが出来る公開レベルです。Publicレベルにアイテムを登録するためにはモデレーターの査読が必要になります。

    • Group

      グループ公開レベルです。グループに登録されたグループメンバー内のみが検索・閲覧ができます。Groupレベルにアイテムを登録するためにはグループ管理者の査読が必要になります。

    • Private

      個人公開レベルです。登録ユーザー個人が利用できるプライベートスペースになります。

3.1.4. 査読システム

  • Public/Groupレベルにアイテムを登録する際にモデレーターやグループ管理者の査読が必要なシステムなっています。これによりXooNIpsでは各アイテムの品質管理が行えるようになっています。

3.1.5. 外部データベースサイトの串刺し検索

  • OAI-PMH に準拠したメタデータ取得が可能です。

3.1.6. XOOPS Cube の既存モジュールと組み合わせ可能

  • XOOPS Cube の既存モジュールと組み合わせて多種多様なサイトを構築可能

3.1.7. テーマの変更

  • XOOPS Cube のテーマを変更することでレイアウトなどの概観を自由に変更可能

Last updated: 2007/07/02