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ポリシーエディタの使い方

Last modified: $Date: 2011-07-01 13:55:23 +0900 (Fri, 01 Jul 2011) $

基本操作

(0)ポリシーエディタを使う前に

TOMOYO Linux には、 CUI で動作するポリシーエディタが付属しています。

予め /proc/ccs/manager に「 ccs-editpolicy が動作するドメインのドメイン名」または「 ccs-editpolicy へのパス名(通常は /usr/lib/ccs/editpolicy )」が登録されている必要があります。

シェルプロンプトから ccs-editpolicy と入力すると、ポリシーエディタを実行することができます。

(1)ポリシーエディタを終了するには

ポリシーエディタを終了するには、「Q」キーを押します。

(2)最新の情報に更新するには

最新の情報に更新するには、「R」キーを押します。

(3)カーソルを移動させるには

カーソルを移動させるには「↑」「↓」キーまたは「PageUp」「PageDown」キーを押します。

(4)横方向にスクロールさせるには

横方向にスクロールさせるには、「←」「→」キーまたは「Home」「End」キーを押します。

(5)画面を切り替えるには

ポリシーエディタには7つの画面があります。「W」キーを押すと一覧が表示されます。
Window List

この画面から「S」キーを押すと、システムポリシーの編集画面に切り替わります。
Screen for System Policy

この画面から「E」キーを押すと、例外ポリシーの編集画面に切り替わります。
Screen for Exception Policy

この画面から「D」キーを押すと、ドメイン遷移一覧画面に切り替わります。
Screen for Domain List

この画面から「A」キーを押すと、ドメインに対するアクセス許可の編集画面に切り替わります。
Screen for Domain Policy

この画面から「P」キーを押すと、プロファイルの編集画面に切り替わります。
Screen for Profile List

この画面から「M」キーを押すと、マネージャの編集画面に切り替わります。
Screen for Manager List

この画面から「U」キーを押すと、メモリ使用量確認画面に切り替わります。
Screen for Memory Usage

(6)検索するには

検索を開始するには、「F」キーを押して、検索したい文字列を入力し、最後に「Enter」キーを押します。
Find First

前回入力した文字列で順方向(下方向)に検索を続行するには、「N」キーを押します。

前回入力した文字列で逆方向(上方向)に検索を続行するには、「P」キーを押します。

(7)エントリを追加するには

エントリを追加するには、「A」キーを押して、追加したい内容を入力し、最後に「Enter」キーを押します。入力した内容はヒストリに残っており「Insert」キーでヒストリの内容を確認できます。ヒストリの内容を呼び出すには「↑」「↓」キーを使います。

ドメイン遷移一覧画面の例
Adding an entry into  List

システムポリシーの編集画面の例
Adding System Policy

例外ポリシーの編集画面の例
Adding Exception Policy

ドメインに対するアクセス許可の編集画面の例
Adding Domain Policy

(8)エントリを選択するには

エントリを選択するには、選択したいエントリにカーソルを合わせて「スペース」キーを押します。選択されると行頭に「&」マークが表示されます。
Selecting an entry

もう一度「スペース」キーを押すと選択解除されます。選択解除されると行頭の「&」マークが消えます。

(9)エントリを一括選択するには

「C」キーを押すと、カーソルのある行の選択状態(行頭の「&」マークの有無)がカーソル行以下の全エントリに複写されます。
Copying selection state

特定の範囲のみを選択するには、選択対象となる最初のエントリにカーソルを合わせて「&」マークを表示させてから「C」キーを押し、選択対象となる最後のエントリの次のエントリにカーソルを合わせて「&」マークを消してから「C」キーを押します。

(10)エントリを削除するには

削除したいエントリを1個以上選択してから「D」キーを押します。削除を確認するためのプロンプトが表示されるので、「Y」キーを押すと削除されます。
Deleting selected entries

ドメイン遷移一覧画面に固有の機能

(0)この画面について

ドメイン遷移一覧画面では、インデント付きのツリー構造でドメイン遷移の一覧が表示されます。起こりうるドメイン遷移の組み合わせをこの画面で確認することができます。

「行番号」の右側には、そのドメインに割り当てられている「プロファイル番号」が表示されます。 プロファイル番号の右側には、そのドメインのドメイン名に含まれる最後の「プログラムのパス名」が表示されます。「プロファイル番号」と「プログラムのパス名」の間には、ドメインの属性に応じて「#」「*」「!」が表示される場合があります。

(1)ドメインのプロファイル番号を変更する方法について

プロファイルの割り当てを変更したいドメインを1個以上選択してから「S」キーを押します。すると、プロファイル番号の入力を求めるプロンプトが表示されるので、プロファイル番号を入力し、最後に「Enter」キーを押します。
Setting profile number

(2)「!」マークが表示されているドメインについて

「!」マークが表示されているドメインは、 initialize_domain 構文または keep_domain 構文により到達できないドメインであることを示しています。到達できない理由が「プログラムのパス名」の右側に表示されます。
Unreachable Domain

(3)「*」マークが表示されているドメインについて

「*」マークが表示されているドメインは、 initialize_domain 構文により複数のドメインからこのドメインに遷移する可能性があることを示しています。「*」マークが表示されていないドメインはそのドメインの親ドメインからのみ遷移します。
Initialization Target

(4)「#」マークが表示されているドメインについて

「#」マークが表示されているドメインは、 keep_domain 構文により複数のプログラムがこのドメインで動作する(プログラムを実行してもドメイン遷移が発生しない)可能性があることを示しています。
Keeping Domain

(5)プログラムのパス名の後ろに「( -> 数字 )」という表示があるドメインについて

これは実際のドメインではありません。「プログラムのパス名」が initialize_domain 構文により指定されているために、親ドメインから実行されると「数字」が示す行番号のドメインへ遷移することを示しています。
Initialization Source

(6)プログラムのパス名の後ろに「( -> Not Found )」という表示があるドメインについて

これは実際のドメインではありません。「プログラムのパス名」が initialize_domain 構文により指定されていますが、遷移先のドメインがまだ作成されていないことを示しています。
No Initialization Target

(7)「( プログラムのパス名 )」という表示があるドメインについて

ドメインが削除されたなどの理由により、このドメインが存在していないことを示しています。インデントを崩さないようにするために、親ドメインが存在しないのに子孫ドメインが存在している場合にのみ表示されます。このドメインを作成するには、このドメインにカーソルを合わせて「Insert」→「A」→「↑」→「Enter」キーの順に入力してください。
Deleted Domain

(8)ドメイン遷移を初期化する方法について

TOMOYO Linux では原則としてプログラムを実行する度にドメイン遷移を行うので、同じプログラムでも親ドメインが異なれば異なるドメインに属することになりますが、デーモンとして動作するプログラムの場合は親ドメインに関わらず同一のドメインで動作してくれる方が都合が良いことがあります。そのような場合は initialize_domain 構文と no_initialize_domain 構文を使うことで親ドメインに関わらず <kernel> 直下のドメインで動作させることができます。

例として、 /usr/sbin/sendmail.sendmail を常に <kernel> /usr/sbin/sendmail.sendmail ドメインで動作させる方法を示します。

initialize_domain を指定する前は以下のように複数のドメインで同一のプログラムが実行されています。
Before initialize_domain
Before initialize_domain

例外ポリシー編集画面に切り替えて、「A」キーを押してから initialize_domain /usr/sbin/sendmail.sendmail と入力し、「Enter」キーを押します。これは、 /usr/sbin/sendmail.sendmail が実行された場合には <kernel> /usr/sbin/sendmail.sendmail ドメインへ遷移するということを意味します。
Adding initialize_domain

その後、ドメイン一覧画面に戻ると、既に作成されたドメインに「!」マークが現れています。さらに、遷移先である <kernel> /usr/sbin/sendmail.sendmail ドメインがまだ作成されていないので「(-> Not Found)」という表示も現れています。
After initialize_domain

「(-> Not Found)」という表示を消すために、「A」キーを押して <kernel> /usr/sbin/sendmail.sendmail と入力し、「Enter」キーを押します。
Adding initialization target

すると、「(-> Not Found)」という表示は遷移先の行番号に変化しました。
After initialize_domain target
Added initialization target

しかし、 /bin/mail から /usr/sbin/sendmail.sendmail が実行される場合はデーモンとして動作させるわけではないため、 <kernel> /usr/sbin/sendmail.sendmail ドメインへ遷移させたくないと考えるかもしれません。
Before no_initialize_domain

そのような場合、例外ポリシー編集画面に切り替えて、「A」キーを押してから no_initialize_domain /usr/sbin/sendmail.sendmail from /bin/mail と入力し、「Enter」キーを押します。これは、ドメイン名が /bin/mail で終わるドメインから /usr/sbin/sendmail.sendmail が実行される場合には <kernel> /usr/sbin/sendmail.sendmail ドメインへ遷移させないということを意味します。
Adding no_initialize_domain

ドメイン一覧画面に戻ると、 /bin/mail から実行される /usr/sbin/sendmail.sendmail には「!」マークが消えていることを確認できます。
After no_initialize_domain

(9)ドメイン遷移を抑制する方法について

TOMOYO Linux では原則としてプログラムを実行する度にドメイン遷移を行いますが、 keep_domain 構文と no_keep_domain 構文を使うことで不要なドメイン遷移を抑制できます。

例として、コンソールからログインしたドメイン(<kernel> /sbin/mingetty /bin/login /bin/bash)ではドメイン遷移をさせないようにする方法を示します。

keep_domain を指定する前は以下のようなドメイン遷移が発生しています。
Before keep_domain

例外ポリシー編集画面に切り替えて、「A」キーを押してから keep_domain <kernel> /sbin/mingetty /bin/login /bin/bash と入力し、「Enter」キーを押します。
Adding keep_domain

その後、ドメイン一覧画面に戻ると、 <kernel> /sbin/mingetty /bin/login /bin/bash ドメインの行に「#」という表示が現れ、その子孫ドメインには「!」という表示が現れます。
After keep_domain

ログインしてから man コマンドを実行していますが、 man コマンドは複雑な処理をするので別ドメインで動作させることにします。
Before no_keep_domain

例外ポリシー編集画面に切り替えて、「A」キーを押してから no_keep_domain /usr/bin/man from /bin/bash (または no_keep_domain /usr/bin/man from <kernel> /sbin/mingetty /bin/login /bin/bash)と入力し、「Enter」キーを押します。
Adding no_keep_domain

その後、ドメイン一覧画面に戻ると、 <kernel> /sbin/mingetty /bin/login /bin/bash /usr/bin/man ドメインとその子孫ドメインから「!」という表示が消えました。
After no_keep_domain

/usr/bin/man コマンドからいくつかのコマンドが実行されていますが、これらはドメイン遷移させる必要が無いので、ドメイン遷移をさせないことにします。例外ポリシー編集画面に切り替えて、「A」キーを押してから keep_domain /usr/bin/man(または keep_domain <kernel> /sbin/mingetty /bin/login /bin/bash /usr/bin/man )と入力し、「Enter」キーを押します。
Addint keep_domain

その後、ドメイン一覧画面に戻ると、 <kernel> /sbin/mingetty /bin/login /bin/bash /usr/bin/man ドメインの行に「#」という表示が現れ、その子孫ドメインには「!」という表示が現れます。
After keep_domain

到達不能になったドメインは残しておいても無駄なので、削除することにします。「!」というマークが表示されている行を「スペース」キーを使って選択し、「D」キーを押してから「Y」キーを押すことで削除できます。
Before deleting unreachable domains

到達不能になったドメインの削除後は以下のようになります。
After deleting unreachable domains

アクセス制限を行うことが目的である場合は、再度学習を行い、最後に強制モード用のプロファイルを割り当てることを忘れないでください。

アクセス許可編集画面に固有の機能

(0)この画面について

アクセス許可編集画面では、そのドメインに対して与えられているアクセス許可の一覧が表示されます。アクセス許可を確認し、必要に応じて追加や削除することができます。

(1)表示方法について

「@」キーを押すことで、対象順表示と操作順表示を切り替えることができます。
Sort by operand
Sort by keyword

(2)パターン化支援機能について

「O」キーを押すと、カーソルのある行に含まれるアクセス許可に包含されるアクセス許可に対して「&」マークが付与されるので、内容を確認してから「D」キーを押すことで削除することができます。

(A-1) 次の絵は、パターン化されたアクセス許可を追加する前のものです。
Before adding patterned entry

(A-2) 次の絵は、パターン化されたアクセス許可を追加した後のものです。
After adding patterned entry

(A-3) 次の絵は、追加したエントリの上で「O」キーを押した後のものです。
After entering optimize key

(A-4) 次の絵は、「D」キーを押した後のものです。
After entering delete key

(A-5) 次の絵は、「Y」キーを押した後のものです。
After entering yes key

(B-1) ネットワークに対するアクセス許可でも同様です。次の絵は、パターン化されたアクセス許可を追加する前のものです。
Before adding patterned entry

(B-2) 次の絵は、パターン化されたアクセス許可を追加した後のものです。
After adding patterned entry

(B-3) 次の絵は、追加したエントリの上で「O」キーを押した後のものです。
After entering optimize key

(B-4) 次の絵は、「D」キーを押した後のものです。
After entering delete key

(B-5) 次の絵は、「Y」キーを押した後のものです。
After entering yes key

(C-1) path_group を用いた場合も同様です。次の絵は、 path_group を追加した後のものです。
After adding path_group

(C-2) 次の絵は、 path_group を追加する前のものです。
Before adding path_group entry

(C-3) 次の絵は、 path_group を追加した後のものです。
After adding path_group entry

(C-4) 次の絵は、追加したエントリの上で「O」キーを押した後のものです。
After entering optimize key

(C-5) 次の絵は、「D」キーを押した後のものです。
After entering delete key

(C-6) 次の絵は、「Y」キーを押した後のものです。
After entering yes key

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