PtSimの使い方

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PtSimはProtraの株価データを利用してトレーディングシステムの売買シミュレーションを行うためのプログラムです。トレーディングシステムの簡単な成績の計算や、売買履歴を見ることもできます。

トレーディングシステムとは

トレーディングシステムというのは簡単に言うと明確に定義された売買ルールのことです。以後トレーディングシステムを簡潔にシステムと呼ぶことにします。

さて、成功している株式投資家はどれだけいるでしょうか?利益を上げているほとんどの人たちはたまたま買った株で利益が出たからといって喜んでいるだけでしょう。もしかすると「私は才能があるのではないか」とうかれてさえいるかもしれません。このような人々は本当に才能があると言ってよいのでしょうか?もしかしたらそうなのかもしれません。

しかし少なくとも私はそうは思いません。私は株の動きを予測するような方程式は存在しないと信じています。大きな社会的要因が働かない限り、株の動きはほぼランダムに決定しているのではないかとさえ考えています。数学的には確率的にしか扱えない動きというのでしょうか。これを示唆するような数値データを何度か導いたこともあります。株の動きというのはそれくらい複雑なのです。

このような立場から見ると、これらの人々はまさに「たまたま」成功しているだけであって、いつ失敗してもおかしくありません。ランダムに動く株価に対してなら、目をつむってトレードしても連続的に成功する人間は必ず何人かは現れるのです。果たしてこれが才能と呼べますか?こんな人たちは私に言わせればパチンコ屋に入り浸るオヤジと同じです(もちろん株式投資の方が成功する可能性は大幅に高いが)。

私が達した結論は、「数学的に明確に記述できる売買ルールが過去のデータに対するシミュレーションで継続的な利益を上げられるならば、将来の売買においても利益を上げられると期待すべきである。」というものです。なぜなら株価が確率的挙動を持つのならば、統計的な優位性には大きな価値があるからです。皆さんがすばらしいシステムを作られることを願っています。そのために私はこのシステムを作ったのです。

システムの実行

下の画面はPtSimのスクリーンショットです。

まず左上のツリービューでシステムを選択します。LDS2と表示されているのは私が作ったシステムです。

システムを選んだら、次に売買する銘柄リストを選択します。この銘柄リストに登録されている銘柄に対してシステムの実行が行われます。その上にある期間モードというのは、システムの実行を日足のデータか週足のデータかどちらに対して行うかということを指定するものです。

これで設定は完了です。右下の実行ボタンを押すと売買シミュレーションが開始されます。この実行対象期間は最初は存在する株価データ全体に対して行われます。システムによって示された売買の情報はシステムログとしてDBに記録されます。実行によりDBに追加された売買情報はOutputWindowに出力されます。次回の実行はこの続きから行われるので初回の実行に比べれば高速に終了します。

なお、このシステムログを削除して最初から実行をやり直したい場合はシステムを選択している状態で[システムログ]→[削除]を選ぶか、DELETEキーを押してください。

良いシステムを見つけたら、毎日Protraで株価データの更新を行ったあとでPtSimでシステムの実行をすることにより、日々のシステムの売買を1日10分もあれば確認することができます。これを見て実際の売買をすればよいのです。完全なシステムトレーディングの幕開けです。

システムの成績計算

システムログを解析してシステムのパフォーマンスを具体的に知るには成績計算機能を使います。右の画面は成績計算のタブをクリックした後の状態です。成績を計算したいシステムを選択している状態で計算ボタンをクリックすると計算が開始されます。見ることができるのはサマリーと利益曲線です。サマリーというのは勝率や平均利率などの数値データで、利益曲線というのは現在までの利益の推移をグラフで見ることができます。例としてLDS2の成績計算結果を示しましょう。まずはサマリーです。

ファイル: LDS2.pt
期間モード: 日足
対象銘柄: 東証1部(0〜9999)
2000/01/04〜2003/09/22における成績です。
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全トレード数            580
勝ちトレード数(勝率)    442(76.21%)
負けトレード数(負率)    138(23.79%)

全トレード平均利率      11.23%
勝ちトレード平均利率    22.09%
負けトレード平均損率    -23.57%

勝ちトレード最大利率    94.23%
負けトレード最大損率    -94.51%

全トレード平均期間      41.07日
勝ちトレード平均期間    35.77日
負けトレード平均期間    58.04日
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純利益                  \59,724,040
勝ちトレード総利益      \89,468,380
負けトレード総損失      -\29,744,340

全トレード平均利益      \102,973
勝ちトレード平均利益    \202,417
負けトレード平均損失    -\215,539

勝ちトレード最大利益    \931,000
負けトレード最大損失    -\880,000

プロフィットファクター  3.01

最大ドローダウン(簿価)  -\3,053,000
最大ドローダウン(時価)  -\14,199,180
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現在進行中のトレード数  3

これについては特に説明の必要はないと思いますが、まず純利益が約6000万というのに驚かれたでしょう。LDS2のコードを見てもらえれば分かりますが、非常に簡単なルールでこれだけの利益が上がるのです。私がちょこちょこっと書いたものなので、これ以上のシステムはおそらく簡単に見つかると思います。

次はこの利益曲線を見てみましょう。 簿価と時価による純利益の推移が分かります。横軸に日付が描画されないので分かりにくいですが左端がトレード開始点の2000/01/04で、右端がトレード終了点(現在)の2003/09/22です。あまり下落(ドローダウン)がなくていい感じですね。

システムの売買履歴を見る

ほとんどの場合実行時の出力を見るだけで十分だと思いますが、売買履歴を見る機能も付けてあります。右の画面は履歴検索タブをクリックした後の状態です。検索したい期間を決定して検索ボタンを押せば、期間があまり長くなければすぐに売買履歴が表示されます。

銘柄リストを編集するには?

銘柄リストを編集するには、銘柄リスト編集機能を使用します。左の画面は、メニューの[銘柄リスト]→[編集]を選択した後の状態です。

 この画面では、銘柄リストの新規追加、登録されているリストの編集や削除が行えます。

「銘柄リスト編集」画面の[追加]ボタンを押すと「新規銘柄リスト」画面が表示されます。
 右の画面は、銘柄リスト名を”注目銘柄リスト”とし、東証1部の銘柄コード"2000〜2010"を、リストに追加した後の状態です。
 銘柄コードを追加するには、画面左の「内容」リストに直接銘柄コードを入力するか、画面右の「コード範囲から入力」を使って行います。
 銘柄リストが作成できましたら、画面下の[OK]ボタンを押して、「銘柄リスト編集」画面に戻ります。下の画面のように、追加した銘柄リストが、一覧に追加表示されています。

銘柄リストの編集を行う時には、「銘柄リスト編集」画面左上の銘柄リストから、編集したい銘柄リスト名を選択して、[編集]ボタンを押してください。上の画面と同様の編集画面が表示され、内容の編集が行えます。

銘柄リストを削除する時には、「銘柄リスト編集」画面左上の銘柄リストから、削除したい銘柄リスト名を選択して、[削除]ボタンを押してください。右の画面のように、確認メッセージが表示されます。本当に削除したい時は、[OK]ボタンを押してください。選択した銘柄リストが削除されます。

独自のシステムを追加するには?

PtSimで選択できるシステムにあなた独自のシステムを追加することができます。後述のシステムプログラムの書き方を参考にしてください。


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