CORBA の基本概念
CORBA 技術を使用すると、あるプロセス内の Java オブジェクトが、別のプロセスで実行されている
別のオブジェクトのメソッドを呼び出すことができます。次の図は、この技術を使用する
プログラムの基本部分を示しています。
各部分が CORBA プログラムで果たす役割を次に要約します。
- クライアントクラス -- サーバープロセスで実行されるメソッドを呼び出します。
完全なクライアント側アプリケーションは、CORBA クライアントクラスよりも多くの
クラスから構成される場合があることに注意してください。
- スタブクラス -- クライアント側で使用されます。クライアントクラスの
メソッド呼び出しを、ネットワーク接続で配信できる形式に変換します。
- ORB クラス -- プロセス間でのメソッド呼び出しの伝送と配信を管理します。
- 実装クラス -- サーバーのビジネスロジックを含みます。このクラスのインスタンスは、
CORBA の用語ではサーバントと呼ばれ、ORB に登録されます。このインスタンスの
メソッドは、別のプロセスで実行されるクライアントが実行できます。
- サーバークラス -- 実装クラスをインスタンス化します (サーバントを作成します)。
サーバークラスは、サーバントインスタンスを参照し、この参照をネームサービスに
登録するか、参照を標準出力に書き込むか、または参照を指定ファイルに書き込むことによって、
これを公開して使用できるようにします。この参照は、CORBA の用語で相互運用可能な
オブジェクト参照、つまり IOR と呼ばれます。
- スケルトンクラス -- サーバー側で使用されます。メソッド呼び出しを、
スタブクラスによって生成され、ORB によって伝送されたワイヤ形式から、
サーバントインスタンスで読み取れる形式に変換します。
注: CORBA は複合的な技術であり、その包括的な説明は、このマニュアルの対象外です。
CORBA プログラムを開発する予定であるが、CORBA 技術に詳しくないという場合は、
CORBA および Java について書かれたいずれかの資料をよく読むことをお勧めします。
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