ネットワーク分散とオブジェクト指向と

1.はじめに

ネットワーク分散とオブジェクト指向はKONOEシステムの基本的特徴です。 この二つの特徴は、実際のところそれほど相性のいいものではありません。 「オブジェクト永続性」の実現無しには両立しないものです。これを取り入れて いるところがKONOEの特徴であるわけです。

2.オブジェクト永続性

オブジェクトはデータと手続き(メソッド)の集まりという言い方ができます。 この場合、手続きは計算機プログラムとして実現されます。実際のところ、 計算機やOSの種類が違えば当然手続きの実装も異なります。

オブジェクトはそれ故、あるプログラムの中だけで実現可能です。計算機 メモリー上のデータと手続きのダンプをとってそれをほかの計算機にコピーしても そのままでは意味がありません。(Javaの中間言語バイトコードはそれを意味の あるものにしようというアプローチです。)

しかし実際のアプリケーションではオブジェクト永続性が必要となります。 たとえば、あるプログラムが生成したオブジェクトをファイルに保存し、 それを別のプログラムがそれを読み出すとか、ソケット通信をする複数の プロセスの間でオブジェクトを交換するとか、共有メモリー上にある イメージをオブジェクトとして複数のプロセスで共有するといった ことが必要になります。これらは、あるプログラムが終了しても、そこで 作られたあるいは使われたオブジェクトは残って存在し続けることになります。

現実的にはまだ完全には実現できません。擬似的にデータとクラスの情報を 保存したり交換したりすることでオブジェクト永続性を実装することに なります。


[intro/oondis.html] Last Modified : 26-Feb-2001.

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