[C2.4]データリストクラス

データ収集システムでは、トランザクションに対応して、一定の手順にしたがって DAQモジュールなどからデータを読み出し、適当に形を整えたうえでイベント レコードとして次のプロセスへ渡していくことになります。ここでは、データ 読みだしの手順をどのように記述するかを考えましょう。

ユーザは一定のルールで記録されたイベントレコードの中からタグや出現 順番などでそれぞれのデータが何に対応しているかを読み取って解析します。 この、どのデータが何に対応しているかをあらわすのもこのデータリストです。

そもそも、ハードウエアから読みだされたときのデータはまったくの単なる スカラーであり、実際のアナリシスて扱われるものは物理データオブジェクト として物理的な意味が解読された(デコードされた)ものとして扱われます。 データ収集の段階ではその中間的な扱いがされます。イベントレコードという コンテナクラスに適当なタグを付けてほうり込みます。これにより、データ 収集は機械的にデータを読み出し、解読時には比較的簡単にデータが デコードできるようにできます。

1.データの記述

ハードウエア(DAQモジュール)からデータを読みだす場合を考えてみます。 おのおののモジュールはデータソースクラスのところで解説したように 論理的なクレートに論理的なモジュールとして登録されます。直接的には データは論理的なクレートの論理的なモジュールの論理的なアドレスにある データと考えられます。

データは直接は数値として読みだされます。読みだされる数値の数は指定 されなければなりません。読みだされただけの数値はそのままでは取り扱いに こまりますから、なんらかの書式にしたがって記録されなければなりません。 それがデータレコードで定義されるデータエレメントに対応します。

データレコードクラスについては解析部品のところで解説しますが、ここでは そこに読みだされたデータを渡すということだけ考えることにします。ただ、 データレコードは汎用の書式の枠組みなので、そこからもとのモジュールなどの 情報に戻すときには何らかのタグが必要です。データとタグを渡すことに なります。

解析の段階ではデータレコードから順にデータを読み出し、そのタグを使って 内容を識別することになります。データリストはそのときにも参照される ことになります。

2.実装

読み出しのためのアイテムを定義し、それらの集合として読み出しリストを 構成します。読み出しリストはトランザクションに対応して起動されます。

2.1.読み出しアイテム

読みだし動作の最小単位を読みだしアイテムとして定義します。読み出された データはデータエレメントオブジェクトとして扱われます。読み出しアイテムは モジュールからいくつかの方法でデータを読み出します。

読み出しアイテム毎にタグが付けられます。このタグは解析段階で対応する モジュールひいては検出器を識別するために用いられます。タグから モジュールが識別され、モジュールから対応する検出器が識別される ことになります。

2.2.読み出しリスト

一連の読み出し動作をまとめて記述したものを読み出しリストとして定義 します。読み出し動作の結果、得られるものはデータレコードですから 読み出し動作もデータレコードの構造と一対一対応で定義されます。 データレコード-データセクション-データセグメント-データエレメントの 構造になります。ここで読み出しアイテムはデータエレメントに対応します。


[classes/datalist.html] Last Modified : 23-Jul-1997.

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